ナイアシンアミドとは|シワ・シミ・保湿への働きと配合濃度の選び方
ナイアシンアミドは、シワ改善や美白の有効成分としても使われている、ビタミンB3の一種です。
ハリ・透明感・保湿・皮脂など、幅広い肌悩みに関係する成分として研究されています。
ただし、ナイアシンアミドが入っていれば、どんな化粧品でもシワ改善や美白の効果が認められているわけではありません。
この記事では、ナイアシンアミドの働きと研究結果、レチノールとの違い、配合濃度の考え方をわかりやすく解説します。
ナイアシンアミドの4つの働き
ナイアシンアミドは「ニコチン酸アミド」とも呼ばれる、水溶性のビタミンB3の一種です。
化粧品成分として、特に次の4つの働きが研究されています。
- シワ・ハリケア:目元のシワを評価したヒト試験で改善が報告されている
- シミ・色素沈着ケア:メラニンを含む粒子の受け渡しを抑える働きが研究されている
- 保湿・バリア機能:セラミドなどの角層脂質の産生をサポートする
- 皮脂ケア:皮脂量の減少が報告された試験がある
シワ改善・ハリへの働き
ナイアシンアミドは、日本でシワ改善の有効成分としても使われています。
実際に、4%ナイアシンアミド配合化粧品を使った8週間のヒト試験では、ナイアシンアミドを含まない対照製品と比較して、目元のシワ評価に改善が認められました。
この研究は、日本人女性30人を対象に、顔の左右で配合製品と対照製品を比較したものです。
ただし、これは特定の製品による試験結果。
ナイアシンアミドを配合したすべての化粧品に、同じシワ改善効果があるという意味ではありません。
一般化粧品と医薬部外品は違う?
ここは商品選びで知っておきたいポイントです。
一般化粧品
ナイアシンアミドが配合されていても、その商品に医薬部外品としての「シワ改善」や「美白」の効能が承認されているわけではありません。
医薬部外品(薬用化粧品)
ナイアシンアミドを有効成分として配合し、該当する承認を受けた製品では、「シワを改善する」「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」などの効能を表示できます。
同じ成分でも、配合されていることと、製品として効能が承認されていることは別です。
シミ・色素沈着への働き
ナイアシンアミドは、美白ケアでも注目されている成分です。
その特徴のひとつが、メラノソームの受け渡しを抑える働き。
メラノソームとは、メラニンを含む小さな粒子のこと。
肌の中では、メラニンを作る細胞から周囲の表皮細胞へと受け渡されています。
ナイアシンアミドには、この受け渡しを抑える働きが研究されています。
2002年の研究では、ナイアシンアミド配合の保湿剤などを使ったヒト試験で、色素沈着の軽減が報告されました。
ただし、今あるシミを必ず消せるという意味ではありません。
シミ対策の基本は紫外線対策。 ナイアシンアミドは日焼け止めの代わりにはなりません。
保湿・バリア機能への働き
個人的に、ナイアシンアミドで注目したいのが保湿に関する働きです。
肌の角層には、水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」があります。
そのバリア機能を支える重要な成分が、セラミドなどの角層脂質です。
ナイアシンアミドには、セラミドなどの産生をサポートする働きが報告されています。
研究では、ナイアシンアミドの塗布によって角層のセラミドや脂肪酸が増加し、乾燥肌からの水分蒸散量が減少しました。
ナイアシンアミドは、シワやシミだけでなく、乾燥を意識したスキンケアでも選択肢になる成分です。
皮脂・毛穴への働き
ナイアシンアミドは、皮脂が気になる人にも研究されています。
2%ナイアシンアミド配合保湿剤を使った試験では、日本人の被験者で皮脂排出量が減少したと報告されています。
ナイアシンアミドとレチノールの違い
シワやハリのケアでよく比較されるのが、ナイアシンアミドとレチノールです。
| ナイアシンアミド | レチノール | |
|---|---|---|
| 種類 | ビタミンB3の一種 | ビタミンAの一種 |
| 注目される働き | ハリ・保湿・透明感・皮脂 | シワ・ハリ・肌のキメ |
| 刺激性 | 比較的取り入れやすい傾向 | 乾燥・赤み・皮むけが起こる場合がある |
| 朝の使用 | 一般的に可能 | 製品の指定に従う |
| 注意点 | 高濃度では刺激を感じる場合も | 濃度・頻度・妊娠中の使用などに注意 |
ナイアシンアミドとレチノール「肌への優しさ」比較
ナイアシンアミドの安全性評価
- 皮膚刺激性:ほとんどなし
- 眼刺激性:ほとんどなし-わずか
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし
- 光毒性(光刺激性):ほとんどなし
- 光感作性:ほとんどなし
- アクネ菌増殖性:ほとんどなし
化粧品および医薬部外品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。
レチノールの安全性評価
- 皮膚刺激性:製品の成分組成および製剤化技術に依存
- 眼刺激性:詳細不明
- 皮膚感作性(アレルギー性):ほとんどなし(データなし)
化粧品および医薬部外品配合量および通常使用下において、一般に安全性に問題のない成分であると考えられます。ただし、安定性や皮膚刺激性は各製品の成分組成および製剤化技術に依存するため、製品単位で注意する必要があります。
ナイアシンアミドとレチノール「効果」比較
ナイアシンアミドのヒト使用試験
4%ナイアシンアミド配合保湿剤の塗布は、8週目において28名のうち18名に中程度以上のシワ改善効果を示した。
この結果は、ナイアシンアミドがシワ改善効果を有することを示していますが、基剤がナイアシンアミドの浸透性を向上させるなどいくらか寄与した可能性も考えられます。
レチノールのヒト使用試験
レチノール配合美容液の塗布は、プラセボ製剤塗布群と比較して8週目以降に、視感評価では有意(8週以降:p<0.001)にシワグレードスコアを減少させ、機器評価では有意(8週:p<0.01、12週:p<0.001)にシワ面積率、シワ体積の両方でシワの減少を示した。
これらの結果から、レチノールは目尻のシワを改善する有用性を認めた。
敏感肌にはどちらがおすすめ?
一般的には、ナイアシンアミドの方が刺激を感じにくい傾向があります。
レチノールでは、使い始めに乾燥や皮むけなどが起こることがあります。
ただし、どちらも製品の配合濃度や処方によって使用感は変わります。
ナイアシンアミドは何%配合がいい?
ナイアシンアミドは、2%・4%・5%・10%など、さまざまな濃度の化粧品に配合されています。
研究では、次のような濃度が使われています。
| 濃度 | 研究例 |
|---|---|
| 2% | 色素沈着・皮脂への働き |
| 4% | 目元のシワへの働き |
| 5% | 色素沈着への働き |
ただし、10%配合なら5%の2倍効果がある、というわけではありません。
また、医薬部外品より一般化粧品の方が高濃度だから優れている、ともいえません。
化粧品の使用感や働きは、配合濃度だけでなく、ほかの成分や製品全体の処方にも左右されます。
高濃度で刺激を感じる場合もあるので、数字の大きさだけで選ばないようにしましょう。
ナイアシンアミドのよくある質問
朝と夜、どちらに使える?
ナイアシンアミドは、一般的に朝・夜どちらにも使える成分です。
ただし、製品ごとの使用方法を優先してください。
ビタミンCやレチノールと併用できる?
一般的には併用できます。
ただし、高濃度の美容液を何種類も重ねると、刺激につながる場合があります。
特に敏感肌の人は、新しい製品を一度に増やしすぎないことをおすすめします。
敏感肌でも使える?
比較的取り入れやすい成分ですが、すべての人に刺激が起こらないわけではありません。
赤みやかゆみ、ヒリつきが続く場合は使用を中止しましょう。
まとめ|ナイアシンアミドは保湿もハリも意識できる成分
ナイアシンアミドは、シワ・ハリ・透明感・保湿・皮脂など、幅広い働きが研究されている成分です。
なかでも注目したいのは、ハリケアと保湿を同時に考えられること。
ただし、配合濃度が高いほど優れているとは限りません。
自分の肌悩みに合った処方を選び、スキンケアを必要以上に重ねないことも大切です。
ナイアシンアミド配合のアイテムを選ぶときは、濃度だけでなく、ほかの成分との組み合わせや実際の使用感も確認してみてください。
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スキンケア成分まとめ▼

参考文献
- Kawada A. et al. (2008). Evaluation of anti-wrinkle effects of a novel cosmetic containing niacinamide. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19017042/
- Hakozaki T. et al. (2002). The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12100180/
- Tanno O. et al. (2000). Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10971324/
- Draelos ZD. et al. (2006). The effect of 2% niacinamide on facial sebum production. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16766489/
