スキンケアの本を30冊以上読んできました。
大量のスキンケアの中から、どれを選べば「美肌」になれるか判断できるようになりたかったからです。
スキンケアの本には2種類あります。
「皮膚科医が監修や執筆をした本」と「そうでない本」です。
ネットの情報は間違ったものもある、というのは常識になってきましたが、本も同じです。
多くのスキンケア本を読むことで、たくさんの情報を吸収して、多数決で正しい情報を選んできました。
そこから得た正しい知識で、今は自信をもって成分表をみてスキンケアを選べるようになりました。
美肌に近づくために本当に役に立ったスキンケアの本「1位〜3位」を、参考になった文章と一緒にご紹介します。
皮膚科医・専門家のおすすめスキンケア本
1位:38歳からはじめたいリカバリー美容事典 吉木伸子/監修
おすすめ本1位は、美容皮膚科学専門の皮膚科医、吉木伸子先生の著書です。
2018年4月発売。
この本の好きなところは、スキンケアの専門的な情報がシンプルにまとまっているところです。
他の専門家の本で言っていることと違うと感じる部分がほとんどなく、信頼できます。
スキンケア以外にも、クマなどの肌の悩み、髪の毛など、色々なジャンルの情報が入っています。
おすすめの美容本が欲しい35才以上の方は、選んで損はないと思います。
参考になった文を紹介します。
「保湿にはセラミドが効果的で、スキンケアは保湿美容液1本でOK」という内容です。
保湿にはセラミドがもっとも効果的ですが、それ以外にもヒアルロン酸など、保湿効果の高い成分はいろいろあります。
これらを含む保湿美容液をお手入れに取り入れましょう。
最近では、これ一本でケアができるというオールインワンのようなコスメもよくみかけますが、特にオールインワンとうたわれているものでなくても、保湿美容液ならばなんでも1本使いすることが可能です。
保湿目的で配合される注目成分は、1位セラミド、2位ヒアルロン酸、3位コラーゲン、4位NMFです。
『オールインワンは化粧水や乳液など、すべての機能が入っていているので、手抜きアイテムだ』
という考えを覆してくれました。
「保湿美容液でも1本使いが可能」と言い切ってくれたことで、オールインワンだけで本当に肌にいいものがあるんだ、と思わせてくれました。
読んできたスキンケア本の中で、手に取る機会が一番多い、バイブルのような存在です。
2位:「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法 宇津木龍一/著
2位は、シワ・たるみ治療の専門家で、クリニック宇津木流の院長である宇津木龍一先生の著書です。
有名な「肌断食」の第一人者です。
2012年2月発売。
この本の好きなところは、専門的な知識から、美肌に最短で近づくための方法を教えてくれることです。
この本を読んで、シミのレーザー治療も受けましたし、肌断食もやりました。
影響を受けた、という視点からすると1位です。
参考になった文を2つ紹介します。
1つ目は、キメや毛穴を正確にチェックできる「マイクロスコープ」を使ってみようというものです。
マイクロスコープで肌を見てみよう。
スキンケアを続けるうえで頼もしい助っ人がいます。
自宅で使えるマイクロスコープです。
iphoneにつなげば鮮明な肌の画像を映し出せるという優れもの。(中略)
本当の肌の状態を正直に知らせてくれます。
肌があいかわらず乾燥していても、ミクロのレベルでは徐々に皮膚が再生されつつあれば、それもはっきりと示してくれます。
自分の肌の状態をきちんと把握しておくために、月に1回はマイクロスコープを使って肌チェックを行うとよいでしょう。
きめが乱れていれば、一目瞭然。
「マイクロスコープ」を買って、肌の状態をチェックするようになりました。
スキンケアを変えたとき、肌に合っているかを正確に判断できます。
2つ目は、オイルを使うと肌が黒ずむということです。
オイルを長く使い続けていると怖いのが、肌が黒ずむ「オイル焼け」です。
オイルを使い続けていると肌が委縮して薄くなります。
なぜなら角質細胞が垢として1個はがれると、そのことがシグナルで基底層につたわり、基底細胞が1個生まれますが、オイルで肌をベタベタにしていると、角質細胞がはがれにくくなり、基底層でも新しい細胞が生まれにくくなります。
新しい細胞が生まれなければ、新陳代謝が低下して、皮膚は薄くなるというわけです。
オイルは、肌の新しい細胞が生まれるのを妨げ、肌のターンオーバーを妨げるそうです。
乾燥の時期におすすめされるオイルを買わなくなりました。
書ききれないくらい、多くの知識を取り入れました。
肌断食は、私の場合は結果失敗に終わったので、この本は2位にしました。
3位:オトナ女子のための美肌図鑑 かずのすけ/著
3位は、専門的な見地からコスメの成分を分析されている「かずのすけ」さんの著書です。
2017年7月発売。
「かずのすけ」さんはブログも書いていて、そちらもたくさん読んで参考にしています。
洗顔や合成界面活性剤、オイルなど、詳しくまとめられています。
参考になった一節を紹介します。
「肌断食」は理論上は間違っていません。
肌は自ら水分や油分を分泌しており、それを洗顔で奪って化粧品で補うというのは本来おかしなことです。
とはいえ、メイクをしますし、紫外線防止のために日焼け止めやパウダーは塗るべきです。
そうなるとクレンジングや洗顔をしないのは困難で、必要最小限の良質な保湿剤を使って、角質の働きをサポートするのは必要なことです。
例えば毎日ガンガン洗顔している人は、肌が脱脂された分を補おうとして、皮脂を多く分泌します。
こうした肌の習慣は、スキンケアを変えてもすぐには変化しません。
急に洗顔をやめても、皮脂の多さは相変わらずなのでニキビができます。万全に保湿してきた人が、急に保湿断ちをすれば乾燥します。
洗浄力や保湿力は徐々にダウンを!
私が「宇津木式肌断食」に失敗したの理由がわかりました。
オーガニックが肌にいいわけではない、美白化粧品は肌が白くなるわけではない、ということが論理的に書かれていて、美肌図鑑を家に一冊置きたい、という方にピッタリです。
「化学者が美肌コスメを選んだら… かずのすけ/著(2016年2月)」と「しない美容 かずのすけ/著(2018年2月)」も読みましたが、
個人的に、「オトナ女子のための美肌図鑑」がまとまっていて読みやすかったので、2位です。
美肌の王道 小柳衣吏子/著
ここからはランキング外ですが、良本ばかりです。
紹介している一節が気になる方は手に取ってみることをおすすめします。
著者は、青春クリニック院長の小柳さん。医学部を卒業された、美容皮膚科医さんです。
2016年12月発売。
スキンケアを、専門的な視点から分析されています。
参考になった文を2つ紹介します。
1つ目は、「洗顔料はモコモコ泡はよくない」という内容です。
モコモコと発砲するのはアルカリ性成分の力が大きいのですが、本来のお肌の環境は「弱酸性」。
お肌にとってはこの発砲成分が結構負担になるんです。
肌は、アルカリ性に傾くと必死に弱酸性に戻そうとして、余計なエネルギーを使います。
肌がアルカリ性に傾くと、肌内部の水分を保つ機能(ラメラ構造)が乱れます。(中略)
それだけでなく、ニキビや肌荒れの原因になる「悪玉菌」(アクネ菌や黄色ブドウ球菌など)が住みやすい環境になることも分かっています。
以上の理由から、わたくしは「弱酸性」で「アミノ酸系」とうたった洗顔料の使用をおすすめしています。
すぐに、モコモコ泡の洗顔をやめました。
2つ目は、「顔は冷たくない水で洗う」という内容です。
肌にとっては、体温より高温のお湯はNGなのです。
理由は、体温より高い温度のお湯が、皮脂の取りすぎや、肌の潤いを保つセラミドなどの細胞間資質や天然保湿因子の流出を招き、乾燥の原因になるから。
「こんなんじゃ生ぬるいわ!」と感じる32~33℃のお湯(というより「冷たくない水」)で洗うのがベストです。
洗顔の設定を35度にしていたのですが、33度に変更しました。
医者が教える最高の美肌術 小林暁子/著
美容皮膚科、内科的アンチエイジング治療などの医師である小林暁子さんの著書です。
2018年8月発売。
専門的な知識のある方の著書なので、正しい知識をたくさん得ることができました。
参考になった一節を紹介します。
肌のケアにおいては「表皮ブドウ球菌(美肌菌)の数を減らさない」ということが最大のポイントになります。
NGなのはズバリ「顔の洗い過ぎ」。
1日のうち何度も洗顔する、強力な洗浄力をもつ洗顔料を毎日使うなどの行為が、表皮ブドウ球菌の数を減らしてしまいます。
また、無理日角質を落とすようなケアもご法度です。スクラブ入りの洗顔料や、はがすタイプのパック、市販のピーリング剤などを愛用している人は、使用頻度を多くても週に1回程度に控えるようにしましょう。
洗顔料を使うのをやめるきっかけになった本です。
ゆる美容事典 高瀬聡子/著
2018年9月発売。
「ゆる美容」といいながら、内容は充実していて、皮膚科医の方の本だなという印象でした。
参考になった一節は以下です。
アイシャドウや口紅などの色素が、肌に沈着してしまうことはありません。
そもそも皮膚とは、汗や皮脂、赤などを分泌する排出器官です。
もしもメイク汚れが角層に残ったとしても、肌の代謝とともに剥がれ落ちていきます。
毛穴の中に入った下地やファンデーションだって、汗や皮脂とともに押し出されるのです。
それでも、実際年齢を重ねるごとに目元やリップラインがくすんでくる実感がある、、その一因は、メイクを落とすときの摩擦。
完璧に落とそうとしてゴシゴシこすることで、目元や口元の薄い皮膚に摩擦の負担がかかり、茶色っぽくくすんでしまうのです。
ティントアイテムでも色素沈着の心配はありません。
メイクを必死でゴシゴシ落とす必要はないと知り、摩擦におびえながらアイシャドウを落とすことがなくなりました。
色素沈着が怖くて避けていた、「ティントリップ」も買ってみました。
おうちケアで-5歳の肌になる美肌BOOK リベラル社/編
皮膚科医の久野 菊美先生の監修です。
2015年5月発売。
活性酸素や糖化の話は参考になりました。
参考になって実践している一節は以下です。
ターンオーバーの周期は28日前後が理想ですが、年齢とともに長くなります。
周期が長くなると、古い角質が表面にたまり、肌トラブルが発生しやすくなるので、ピーリングなどで古い角質を取り除きましょう。
(10代 約20日、20代 約28日、30代 約40日、40代 約55日、50代 約75日、60代 約100日)
ターンオーバーを早めるケアは、角質ケア美容液でビーリング。
アルファヒドロキシ酸(AHA)などのフルーツ酸やグリコール酸など、角質を取り除く成分が含まれた美容液をお手入れにプラスしましょう。
この本のおかげで、ピーリングの大切さを知り、ピーリング剤を買いました。
どんな敏感肌でも美肌になれる!オフスキンケア かずのすけ/著
専門的な見地からコスメの成分を分析されている、かずのすけさんの6冊目の著書です。
2018年4月発売。
「界面活性剤」が、もっとも得意とする分野だそうです。
この本からは、オールインワンを最適に使うためには、正しい洗顔をすることが大切ということを学びました。
参考になった一節は以下です。
自身のアトピー肌の改善のために考案したスキンケア法は、基本は「洗顔料を洗浄力の優しいものに変える」「スキンケアは必要最低限に」の2点。(中略)
スキンケアは1~2品でシンプルに!化粧水、乳液、クリーム、、、を全部使う必要はない。(中略)お肌の弱い人に今おすすめなのは、「ラウレスカルボン酸Na」という成分。
これは敏感肌を洗うための最新の洗浄剤で、俗に「酸性石けん」と言われています。
もう一つおすすめの洗浄剤は「ラウロイルメチルアラニンNa」や「ココイルグルタミン酸Na」という成分、これらは「アミノ酸系界面活性剤」や「アミノ酸系洗浄剤」と呼ばれるもので、非常に穏やかな洗浄力と敏感肌への低刺激が特徴です。(中略)
皮脂の分泌量は肌の強さは人それぞれ。
みんなが一番優しいものを使えばいいのか、というと、そんなに単純なものではありません。(中略)
ただ洗顔料を変えればいいという単純なものではなく、かなりしっかりした理解が必要になってきます。
産後の肌はとてもデリケートなので、育児中の今だけでも、肌に優しいものを選ぼうと思いました。
アマゾンで、M-mark アミノ酸せっけん洗顔フォームを購入したきっかけです。
また、クレンジング剤について参考になった一節は以下です。
クレンジング剤の特性を把握し、「ちゃんと洗えるけど洗いすぎない」ものを選べると、ぐっと美肌に近づけます。(中略)
敏感肌に一番おすすめしたいのは「油脂系オイル」を主成分としたクレンジング剤です。(中略)
油脂はお肌を守る「皮脂」の主成分であり、クレンジングに利用すると肌に残った微量の油脂分がそのままお肌の保湿成分として働くため、洗い流し後はしっとり。
マカデミアナッツ油やアボカド油など、お肌を柔らかくする作用を持つ油脂もあるので、これらを配合したものがおすすめ。
ただし油脂は「酸化しやすい」とう弱点があるたえ、界面活性剤が入っていないピュアオイルや食用油のように多量に肌に残ってしまうものはNGです。
「油脂」一覧は、「マカデミアナッツ油」「オリーブ油」「コメヌカ油」「アボカド油」「アルガニアスピノサ核油」「馬油」「ツバキ油」「ヒマワリ種子油」。(中略)
「ミルククレンジング剤」は(中略)洗浄力がかなり低いため対応できるメイクが少ないです。(中略)
リキッド、ジェルは洗浄力のわりに肌負担大です。
オイルクレンジングは、佐伯チズさんの本を読んでいたため「悪」という印象が強かったのですが、固定観念を捨てて調べることが大事だと感じた一節でした。
賢い化粧品の選び方 小澤貴子/著
東京美容科学研究所所長の小澤貴子先生の著書です。
2018年6月発売。
肌の常在菌について参考になった一節は以下です。
微生物(常在菌)は、皮脂をリパーゼなどの酵素によって分解して食べています。
この分解によって、皮脂は弱酸性になります。(中略)
酸性であれば、人にとって害となる菌やカビの繁殖を防ぐことができます。
常在菌によって肌は菌から守られると知りました。
ポリマーについて参考になった一節は以下です。
化粧品に使われる合成ポリマーは、水と親和性が高く、(中略)塗ってしばらくすると薄い皮膜となり、肌の上でさらっとした質感をもたらしてハリがでたように見えます。
また、防腐成分としても使用されていて、「無添加」をうたっている化粧品によく使用されています。
しかし、皮脂の代わりに合成の物質で覆われた肌は、正常に皮脂を分泌できなくなっていきます。そのため、皮脂を餌とする常在菌が生息できなくなり、肌のバリアが破壊されてしまうのです。
ただ、すべてのポリマーがよくないわけではなく、肌が弱っているときは、少量のポリマーを使って肌を守ることができます。
〇〇コポリマーやポリ〇〇とあるのはポリマーのことで、他にもカルボマー、ジメチコン、トリメチコンなど、最後にメチコンがついているもの、メタクリル酸、セルロース、加水分解コラーゲンなどがあります。
ポリマーは肌に膜を作ってしまい、肌バリアに悪影響があるようですが、少量のポリマーは肌を守ることができるそうです。
研究者の方の話なので、とてもためになりました。
人気のおすすめスキンケア本
肌悩み解決!すっぴん美肌バイブル 日経ヘルス/編
日経BPムックで、日経ヘルス別冊です。
2015年2月発売。
雑誌の最後に、有効成分から危険な成分まで、わかりやすくまとまった表が参考になりました。
雑誌なので写真が多く見やすいですが、著者がバラバラのため、なんとなく情報はふわっとしている気がします。
一番参考になった一節が以下です。
洗顔は32度くらいで、シャワーを使わず手ですくって洗うという内容です。
洗顔の際のお湯の温度にも注意が必要。皮脂が溶け出す温度は約30度とされ、高すぎると皮脂を取りすぎてしまい、乾燥肌の原因になってしまう。
ついつい洗ってしまいがちな湯船のお湯の38度~40度で洗うのはNG。
かなりぬるいと感じる30~32度が適温。
朝シャワーを習慣にしている人は、顔の洗顔もシャワーを使いがち。
しかし「その刺激は肌には毒。シャワーの水圧で毛穴が広がったり、皮脂を取りすぎてしまう。
また、「すすぎのし過ぎも肌を傷めるもと」。
面倒くさがらずに、手でお湯をすくって、パシャパシャと5~6回、顔に当てるようにすすごう。
「オトナ美肌」のつくり方 石井美保/著
2018年10月発売。
まつげサロンを経営されていて、メイクレッスンや美容カウンセリングを行っている方の著書です。
40代以上をターゲットにしたスキンケアの本です。
シミはコンシーラーで隠す、洗顔は泡をたてて洗う、など、医療関係の専門家の方がNGと言っていることを勧めている部分はありましたが、洗顔、保湿、UVケアなど、全体的に私が理想としているスキンケアの内容でした。
参考になって実践している一節は以下です。
「肌が疲れたように見える」と感じたとき、味方にしたいのが手軽に摂取できる、美容ドリンクやサプリメントなどのインナーケアです。
内側から働きかけることで、スキンケアだけでは足りない美肌効果を期待できます。(中略)
内側からのアプローチは、スキンケアだけでは足りないハリ、ツヤを補える。そんな期待感をもって飲むから、続けるほどにきれいになっている気分が高まるのも、美容ドリンクやサプリメントの効用。
今までは、顔につけるもののことばかり考えていましたが、インナーケアの重要性に気づきました。
この一節に影響を受け、初めて美肌サプリメントを買ってみました。
以下は、紹介はしませんが、参考にした本たちです。
LDK the Best 2018~19 (晋遊舎ムック) 改訂完全版 佐伯チズ式「完全美肌バイブル」 123の肌悩みにズバリ回答! (講談社文庫) すべては「乾かない肌」でいるために:「毎日のスキンケア」と「身だしなみメイク」の基本 (実用単行本) 最新版 肌断食: スキンケア、やめましたまとめ
いかがでしたでしょうか。
スキンケアの本を選ぶときは、タイトルや表紙に惑わされず、著書や監修に専門家が入っていることが大事なことがわかっていただけたと思います。
紹介した本を読んで、自分に合ったスキンケアを見つけてくださったら嬉しいです。